せんだい演劇工房10-Box

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ナターシャ・プレシコフ 番外公演

近代能楽集より~班女~

また会う日の印にと扇を交換し、男を待ち続ける花子。
画家の実子は旅先の料亭で、男を待ち続けた末に狂女となった花子の美しさに心惹かれ、
その場で花子を落籍せて自宅へ連れ帰る。

実子は美しさの象徴である花子を手放すまいと世間を憚って暮らすようになるが、
花子は駅のベンチで毎日男を待ち続け、その美しさからその姿が新聞記事となり、
花子の存在は広く世間に知れ渡るようになってしまう。
いつか男が花子を取り戻しに来るのではないかと気が気ではない実子だったが、そこへ新聞を読んで在所を知った吉雄が3年ぶりに花子を迎えにやってくる。
花子は眼の前に現れた吉雄に、「違うわ、あなたはそうじゃない。」 と言い放ち、追い返してしまう。
「待つ」ことに純化して宝石のようになった花子はまた「吉雄」を永遠に待ち続ける。

作 三島由紀夫
演出 高江智陽

珠玉の三島作品
能の謡曲を近代劇に翻案したもので、自由に時間と空間を超える能楽の特質を生かし、独自の前衛的世界を醸し出しているこれらの作品群は、写実的な近代演劇では描ききれない形而上学的な主題や、純化した人間の情念を象徴的に表現している。

【日時】
2024年10月19日(土)・20日(日)
10月19日(土) 13:00/16:00/19:00
10月20日(日) 13:00/16:00
開場は開演の30分前

【会場】
せんだい演劇工房10-BOX box-1

【出演】
吉雄:青木顕太
花子:蒼井彩乃
実子:安孫子理恵

【入場料】
2,000円

【チケット予約】
https://www.quartet-online.net/ticket/natasha-hannjo

【お問合せ】takaetomoaki@gmail.com

番外公演に当たって
近代能楽集の中でも情念の純度が高い作品。
演出はもちろん、俳優の力量が問われる作品です。
特に公演の予定もなく「上手くなりたい」その一心で集まって「班女」の稽古をしておりましたが、稽古場の熱量の高さに、上演しようとの運びになりました。

売れるか売れないかの世界の中で、純粋に技芸の向上を目指した俳優たちの体当たりの演技を観て、何かを感じて頂けたら幸いです。通常稽古からの延長で、狙ってキャスティングをしていない事、その状態からどこまで作品にアプローチ出来るのか挑戦の意味もある事、単独公演での上演時間の短さなどの理由から「番外公演」とさせて頂きました。
皆様の暖かく厳しい目に晒される事で、初めて光を帯びる原石です。是非見届けて下さい。