せんだい演劇工房10-Box

  • Pick up
  • 観る・聴く
  • 主催事業

仙台舞台芸術フォーラム 2011→2021東北

オープニングイベント

東日本大震災後の舞台芸術に焦点を当て、2019年度から3ヵ年にわたり開催する「仙台舞台芸術フォーラム」。そのオープニングとして、東北で活躍する3人の劇作家が、自身が震災後に創り出した戯曲を現在の視点で再編成した作品を上演します。

上演後のトークセッションでは、劇作家がひとりの人間として、震災から今に至る時間の流れの中で、どのように表現と向きあってきたのか、また、今回の上演にはどのような想いを込めたのかを聞き、ご来場の皆さんとの対話の機会としていきたいと考えます。

【上演作品】
「はなして」作・演出 生田恵 
「徒然だ」 作・演出 なかじょうのぶ
「壊れる水」(演劇『祝/言』より) 作・演出 長谷川孝治

 

【日時】
2020年2月15日(土)・16日(日)
両日とも14:00開演 17:00トークセッション
※途中休憩あり

13:30~ 開場

14:00~ 演劇・ドラマリーディング(両日とも)

「はなして」*上演時間 約35分
「徒然だ」 *上演時間 約60分
「壊れる水」*上演時間 約60分→約45分に変更となりました

17:00~ トークセッション(両日) *約60分

「劇作家は、震災をどのように受け止めたのか」Ⅰ・Ⅱ
出演:生田恵、なかじょうのぶ、長谷川孝治 ほか
司会:伊藤み弥(演出者)

 

【会場】
せんだい演劇工房10-BOX box-1(宮城県仙台市若林区卸町2-12-9)

 

【料金】
全席自由1,500円(各日とも・日付指定)

 

【チケット取り扱い】
◎仙台市市民文化事業団(日立システムズホール仙台1階)
 [窓口販売]☎022-276-2110/9:30~19:30/休館日を除く
 [電話予約]☎022-727-1875/平日9:30~17:00
仙台銀行ホール イズミティ21
 ☎022-375-3101/9:30~19:30/休館日を除く
◎せんだい演劇工房10-BOX [窓口販売のみ/9:00~21:00]
チケットぴあ(Pコード:499-258)
ローソンチケット (Lコード:21427)

託児あり:要事前申込・1月30日(木)まで(下記問い合わせ先のいずれかからお申し込みください)

【スタッフ】
舞台監督:菅原玄哉(有限会社おむらいすファクトリー)
照明:髙橋亜希
音響:櫻井楓(有限会社舞台監督工房)
宣伝美術:大宮司勇(idoraphics)

【お問い合わせ】
せんだい演劇工房10-BOX
TEL:022-782-7510 / FAX:022-235-8610/E-mail:contact@gekito.jp

【主催】
公益財団法人仙台市市民文化事業団/仙台市

平成31年度文化庁文化芸術創造拠点形成事業

 

 

【作品について】

演劇『はなして』 

(「はなして」INDEPENDENT:2nd Season Selection [2012年 撮影:INDEPENDENT] )

【作・演出】
生田恵(三角フラスコ)

*2011年8月初演作品を再構成(上演時間 約35分)

夏に上演する作品の製作中に東日本大震災が起こる。物語る言葉はばらばらになってしまったけれど、記憶と言葉の欠片を繋いだ戯曲と外界との境界線を失った身体で出来上がった『はなして』は物語以前の、土地と風景の記録だった。2011年8月、INDEPENDENT JAPAN TOUR in 仙台において初演。4都市で17ステージ上演。

【出演】
瀧原弘子(三角フラスコ)
渡辺千賀子(三角フラスコ)
岩佐絵理(SteamTV)
後藤史織
柚彦
前田佳澄
文音
山澤和幸
横山千真

真田鰯 ※15日のみ
岩住浩一(シェイクスピア・カンパニー) ※16日のみ

【プロフィール】
生田恵

仙台市出身。劇作家、演出家。1995年に三角フラスコを結成、初代代表を務める。以降、2012年までの38作品ほぼ全てにおいて作・演出を担当。2012年8月、出産のため一旦劇団の活動から離れるが2014年春に復帰。現在は、育児をしながら脚本を執筆するとともに、演劇の手法を用いた産み育てワークショップなども手がける。

 

ドラマリーディング『徒然だ』 

(「徒然だ」2015年栗原公演 )

【作・演出】
なかじょうのぶ(劇団三ヵ年計画)

*2015年初演の演劇作品を再構成(上演時間 約60分)

「オレオレ」「ナミオちゃんかい?」「ナミオ?そう俺ナミオ」老婦人が問い返した名前は未だ帰らぬ孫の名前。老婦人に聞いた道を訪ねて行くと墓石の前へ。置き忘れたモノを見つけ、そこに自分を登場させると物語は走りだすと力説する絵画講師。突然に止まった老婦人の時間は徒然な絵本の頁に入り走りだしてゆく。老婦人はナミオの声を聞いたのだ。「頁をめくりますよ」と聞こえたのだ。

【出演】
東加代子(劇団三ヵ年計画)
海苔のりこ(劇団三ヵ年計画)
ヒビカミカ (劇団どんちょうの会)
Kイノマタ(劇団三ヵ年計画)
なかじょうのぶ(劇団三ヵ年計画)
大前雅信(劇団三ヵ年計画)
絵永けい(石川組)
宿利左紀子(石川組)
片倉久美子(石川組)

【演奏】
白鳥颯也

【プロフィール】
なかじょうのぶ

1983年より独人芝居を始め16作品上演。1998年独人芝居『カイゴの鳥』劇作家協会新人戯曲賞受賞。2002年度宮城県芸術選奨受賞。2005年『木製家族』第三回近松賞最終候補作品。2010年劇団三ヵ年計画結成。2011年旗揚公演リハーサル中、東日本大震災に遭う。令和元年『vol.6失念』吉野作造記念館風の沢ミュージアム、せんだい演劇工房10-BOXにて上演。

 

ドラマリーディング『壊れる水』 

(「祝/言」より 撮影:鈴木理策 )

【作・演出】 
長谷川孝治

*2011年10月初演の演劇『祝/言』を再構成(上演時間 約60分→約45分に変更になりました)

 2011年3月11日午後2時46分。その日、その時刻からの、ある東北の劇作家と彼と一緒に舞台を作ってきた演劇人たちの小さな記録。逝った者と逝かれた者、壊れたモノと壊されたモノを、小説というフィクションを借り、引用というリアルを混入しながら描く。東日本大震災以後とは、失われてしまった「言葉」をもう一度取り返す日々であった。中断された「物語」を再び紡いでいく時間であった。

【出演】
福村彩乃(青森県立美術館演劇部)
佐々木優(青森県立美術館演劇部)
高橋淳 (弘前劇場)
長谷川孝治(弘前劇場)

【映像】
串田明緒

【写真】
高橋淳

【プロフィール】
長谷川孝治

劇作家・演出家。青森県立美術館舞台芸術総監督・NPO弘前劇場理事長。1978年劇団「弘前劇場」結成(現NPO法人弘前劇場)。1996年第1回日本劇作家協会最優秀新人戯曲賞。2006年~現在、青森県立美術館舞台芸術総監督。2013年日中韓国際演劇制作作品『祝/言』をソウル、チョンジュ(全州)、テジョン(大田)、北京、上海、青森、仙台、東京の8都市で上演。

 

 

「仙台舞台芸術フォーラム」について

東日本大震災発災から8年以上が経過した現在も、ここ東北地方では市民生活にさまざまな形で深刻な影響が残っています。とくに大切な方を失った人や、今なお生活再建が困難な人は、時が経ち風景が変わり、他者との関係がかつての日常に戻れば戻るほど、当人の変わり難い心象が置き去られていくことが危惧されます。また一方で、被災地域の周辺に住みながら大きな喪失と向き合わずに済んだ人にとっては、「自分は被災者であるのか」という漠とした葛藤や、割り切れない「何か」を心に抱えたままの生活が、これからも続いていくことでしょう。

生活の上に拠って立つ文化芸術活動やその作品は、「あの日」に私たちの生活が大きく変わって以来、同様に大きく変化しました。時が経ってようやく語られる言葉があり、今なお語ることができない言葉があります。震災は「これまで」も、そして「これから」もアーティストの思考・思想・行動に影響し、時には作品という形で表出していくことでしょう。

公益財団法人仙台市市民文化事業団と仙台市では、震災後の舞台芸術に焦点を当て、2019年度からの3ヵ年にわたり「仙台舞台芸術フォーラム」を開催します。一人ひとりの思いや表現を共有し、対話を通じてともに考えていく「広場=フォーラム」を作り、また、この地における将来の舞台芸術活動への「基点」としていきたいと考えています。

【アドバイザリーボード】
・宮田慶子(演出家/新国立劇場演劇研修所所長/東京都)
・萩原宏紀(いわき芸術文化交流館アリオス 企画制作課/福島県)
・くらもちひろゆき(日本劇作家協会 東北支部長/岩手県)
・矢口龍汰(いしのまき演劇祭実行委員長/宮城県)
・武田篤彦(「宮城県復興応援ブログココロプレス」元編集デスク/宮城県)

※敬称略・順不同

【2020~2021年度の予定】
東日本大震災に関する過去作品の再演や新作の上演、トークセッション、舞台芸術関係者へのインタビューに基づく冊子制作等を予定しています。